今作もテーマが重めで、身内が犯した罪で人生を壊された女が復讐をしていく話になってるよ。
マスコミの描かれ方なんかも考えさせらました
よこがお鑑賞しました。
筒井真理子さん美魔女過ぎ。59歳とか嘘だろ…うちの母ちゃんより年上じゃんか。美人。
内容はキッツいですねー。
ちょっとしたボタンのかけ違いで取り返しのつかないことになってしまう話。ポスターにもうたわれてる「ささやかな復讐」がイタイ…
えぐられました。 pic.twitter.com/Upd77F7rtU
— タツ@サラリーマンYouTuber (@hyottoko_games) February 16, 2020
1.よこがお、あらすじ
カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田晃司監督が、同作でもタッグを組んだ筒井真理子を再び主演に迎え、不条理な現実に巻き込まれたひとりの善良な女性の絶望と希望を描いたサスペンス。周囲からの信頼も厚い訪問看護師の市子は、1年ほど前から看護に通っている大石家の長女・基子に、介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。ニートだった基子は気の許せる唯一無二の存在として市子を密かに慕っていたが、基子から市子への思いは憧れ以上の感情へと変化していった。ある日、基子の妹・サキが失踪する。1週間後にサキは無事に保護されるが、誘拐犯として逮捕されたのは意外な人物だった。この誘拐事件への関与を疑われたことを契機に市子の日常は一変。これまで築きあげてきた生活が崩壊した市子は、理不尽な状況へと追い込まれていく。主人公・市子役を筒井が演じるほか、市川実日子、池松壮亮、吹越満らが脇を固める。
引用:映画.com
2.予告
引用:YouTube
3.タツの総評
いやぁかなり重い映画見ちゃいました。
2016年に『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」を受賞した深田晃司監督の最新作。
キャッチコピーは「ある女のささやかな復讐」・・・ささやかな、ですかぁ。
主人公の市子が、甥っ子の犯すある犯罪により、人生を崩され、自分を裏切った人への「ささいな復讐」をしていく物語です。
ここで面白いのが、復讐の物語だけど善悪がはっきりしている訳ではないところ。市子も完全に関係なく巻き込まれるという感じではなく、少なからず問題があったように描かれる。一方結果的に市子を裏切ることになってしまった被害者の家族の長女、基子にも被害者家族とはいえ問題はあったのではないかと感じるところもあった。
今作のタイトルにある「よこがお」ですが、人のよこがおは反対側(顔を)見ることができない→つまり人間の二面性についてをテーマとして扱った映画です。
特に市子と、基子の二人の「二面性」を垣間見ていくことになるのですが、二人は一見すると「人当たりが良い」「優しそう」なイメージなのに実は・・・というようなタイプで、人間の黒い部分がしっかり描かれていたなと感じました。
「淵に立つ」とも共通しているなと感じたのが、なんか信用できそうだなーと思っていた人の急に本性が出るシーンが今作にも出てくるんですが、そのシーンがすごく怖い。そして変な緊張感がありました。人間って実際には何を考えてるかなんてわからないですからね。
全体的にそういった「嫌な余韻」を残すシーンが多いので、体調が良い日に鑑賞することをオススメしたいですね。
それと主人公市子の、基子に対する憎悪が夢にまで出てきてしまう強烈なシーンなど、少しぶっ飛んだ描写も出てきますので、一緒に見る相手も考えて鑑賞することをオススメします
4.見どころ
・筒井真理子の為の映画
・他人によって人生を壊されるという恐怖
・マスコミの描かれ方
①筒井真理子の為の映画
監督のインタビューによると、「淵に立つ」の舞台挨拶の際に見た筒井真理子さんの「横顔」を見た監督が、今作の脚本を書き始めてできたとのこと。つまり筒井真理子さんのためにできたような作品なんですね。
とても59歳とは思えない美魔女っぷりなんですが、どこか危うさを持ったようなキャラクターで今作のテーマ「二面性」にものすごくマッチした演技が素晴らしかった。
どこか真面目に見えて、周りから慕われる1面と、だんだん明らかになる市子のもう一つの「顔」。きっと筒井真理子さんだからこそ説得力のある内容に仕上がったのだと思う。
ちなみに余談ですが、筒井真理子さんのラッキーすけべシーンもありますので最後まで是非お楽しみください!!笑
「よこがお」は、監督の前作「淵に立つ」の舞台挨拶中に、筒井真理子さんのよこがおを見てインスパイアされてできた脚本の映画なんですね。
つまり筒井真理子さんの為の映画!と言っても過言ではないですね。
中盤にある「夢」のシーンなど、強烈なシーンもあって最高でした。淵に立つも見直そうか。 https://t.co/SE0XG6GFzb
— タツ@サラリーマンYouTuber (@hyottoko_games) February 25, 2020
②他人によって人生を壊されるという恐怖
引用:映画com
今作の市子のように、直接ではなく他人の罪による不可抗力で人生を壊されるのって本当に恐ろしいですよね・・・どんなに気を付けていたとしても、もしかしたら明日自分の身にも降りかかってしまうかもしれないと思うとぞっとしました。
さらに今作の残酷なのが、「あー、あのときなんであんなこと言っちゃったんだろう」とか逆に「もっと早く言っておけば良かった…」という誰にでも経験があるあの嫌な感じを映画にして表現しているので、なんだか見ている間中ずっとムズムズする感じでした。(褒めてます)
③マスコミの描かれ方、情報につい
被害者や加害者の家にまでしつこく押し寄せたり、職場の前で関係者が出てくるのを待って、なんとかしてネタを掴みたいマスコミって何度も映画やドラマで「描かれてきました。
彼らも仕事でやっているので仕方ないといえばそれまでなのですが、今作を見て改めて感じたのは、マスコミによる情報が必ずしも正しいものばかりではなく、所謂「切り取り」によって、受け取る側にものすごく影響を与えてしまう恐ろしい存在だなということ。
今作は当人達だけではなく、関係のない職場の人間たちの視点も入っていて、同僚がボソっと「仕事にならないよ…」とボヤくシーンなども盛り込まれており、マスコミの執着な取材が周りに迷惑やストレスを与えてしまっているというのは、事実起きてしまっているのではないかなと思いました。
テレビや、インターネットなど、情報を即座に沢山調べられる豊かな時代になりましたが、誤った情報による先入観から、今作のように肩身の狭い思いをしている人が、もしかしたらたくさんいるのかと思うと、とても恐ろしい話だなと感じました。
情報を扱うメディアの方々には、常識を超える過度な取材依頼を辞めて頂きたいのと、なるべく正しい情報を伝えて頂きたいなという個人的な思いと、情報を受け取る側も、「その情報は本当に正しいのか?」と自分の中で情報をしっかり咀嚼することが大事だなと感じました。
5.まとめ
最近SNSを観ていると、日本の映画は海外に遅れをとっている。といったような物をよく目にするのですが、確かに大作系映画にかける費用等では格段に劣るかもしれませんが、良作は沢山あるのになー。と思いました。
今作「よこがお」も間違いなく、日本を代表する名作だと思います。是非鑑賞してみてください!ちなみに、私は今作をU-NEXTのレンタルで鑑賞しました。U-NEXTは初月登録無料で、ポイントも付与されるので実質「無料」で鑑賞することができます。気になる方は是非U-NEXTで鑑賞してみて下さい。
以上、タツでした(@tatsu_uctv)
YouTubeでも感想をご紹介していますので、是非見てみて下さい!
今日は、昨年公開された深田晃司監督の最新作についてご紹介します。