1.騙し絵の牙のあらすじ
大手出版社「薫風社」に激震走る!かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる…が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた!嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを賭けた“大逆転”の奇策とは!?
引用:Filmarks
2.予告
引用:YouTube
3.見どころ
どんでん返し系というよりは・・・
引用:映画.com
吉田大八監督作品は、紙の月以来でしたが、今作も最高に面白かった。キャストもとにかく豪華。劇場公開はすでに終わってしまっているところが多いと思うので、レンタル開始を待ちましょう!
ちなみに、今作のキャッチコピー「みんなウソをついている」的なものがついていますが、どんでん返しがメインで「オーシャンズ11」のような作品を期待する人も多いかもしれませんが、そういう感じではありません。
個人的な印象としては、仁義なき戦いの出版社バージョンという感じで、社内のパワーゲーム、権力争い的な要素が濃い映画と感じました。池井戸潤作品の「7つの会議」辺りの内部抗争的なパワーゲーム的な作品が好きな方にはとてもオススメでした!また、現在の出版業界についての仕組みなども知ることができるので、勉強にもなる作品でした。
松岡茉優の演技力が光る
引用:映画.com
主人公を演じる松岡茉優さんって、本当に演技が上手ですね。個人的にすごいと思ったのが、冒頭で文章を読む何気ないシーンがあるのですが、その時の「目」の動きと表情一発で、「この人本当に本が好きなんだな」、とセリフなしで伝わる演技でとても素晴らしいです。
中盤には、酔っぱらい演技もあるんですが、本当に酔っ払っているようにしか見えない、やはり目の演技。酔っ払うとこういう感じになる人いるんですよねー。妙にリアルでやっぱり本当に酒を飲んでいるようにしか見えませんでした!
待ってました、大泉洋!!
引用:映画.com
そしてなんといっても大泉洋。水曜どうでしょうファンとしては、大泉さんの飄々とした天性の愛嬌はもちろんご存知かと思いますが、今作での裏を描く不気味さや怖さは、時として悪役にすら見える絶妙なバランスで、驚くと思います。
元々原作自体が、大泉洋をあてがきされたものらしく、原作での速水はもっと飄々としているようですが、今作での速水は吉田監督が独自に脚本を書き換えていて、微妙にキャラ方向に味付けがされているとか。原作も読みたくなるやつですね。早速本屋に行って、原作を買ってきてしまいました!
LITEの音楽が最高!
なんと言っても今作の音楽使いが最高。個人的に以前から好きだったLITEというバンドが音楽を担当しているのですが、場面ごとに尺まできっちりと合わせた音楽を作成して、ものすごく緻密に計算されています。これがとにかくすごく気持ち良い!
曲のダイナミクスが、場面の雰囲気と絶妙にマッチしていて、すごく気持ち良いです。吉田監督作品のテンポの良さと激的にマッチしています!
エンドロールも、正直たいていの映画はずらーっと文字が流れるだけで退屈なものもが多いなか、今作は最後までしっかりと計算が行き届いていて、ビシっと決まってます。
LITEの楽曲は、イントロ→中盤にかけては変拍子で、難しく混じり合うリフとビートが特徴なのですが、途中で急にメロディアスなメロが入ってくる曲が多く、今作のエンドロールの曲もめっちゃLITEっぽかった。とてもかっこいいバンドなので、是非聞いてみて下さい。サントラも必聴です!!!
4.まとめ
吉田監督×LITEのコンビ、これからも見たい!!絶対に相性バツグンですよこのコンビ!!個人的にLITEの楽曲の功績は非常に大きいのでは?と感じました!
あと最後に、國村隼さんが出ているシーンは軒並み笑えます。最高でした。
今回は、吉田大八監督の「騙し絵の牙」をご紹介します!!