映画「愛がなんだ」の感想レビュー。普通の恋愛映画とは一味違う、生々しいドラマ。

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皆さんこんにちは、ユーチューバーでライターのタツです!(@tatsu_uctv)
今日は、今泉力哉監督の2019年の映画「愛がなんだ」についてご紹介します。
それにしても、愛ってなんなんですかねー。本当に。
どうしたの急に??
いや、本当に愛ってなんなのかなって、考えさせられるような内容でさ。
そうなんだ、評判すごく良かったよね。
見た人みんな、「観たら教えて!」って言ってくるからさ。
そうなんだよ。観終わった後間違いなく語り合いたくなる内容でさ。
エイミーにも早く観てもらいたいんだよ。
わかったよ、とりあえず観てみる!!

1.愛がなんだのあらすじ

直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を、「パンとバスと2度目のハツコイ」「知らない、ふたり」の今泉力哉監督で映画化。「おじいちゃん、死んじゃったって。」の岸井ゆきの、「キセキ あの日のソビト」「ニワトリ★スター」の成田凌の共演でアラサー女性の片思い恋愛ドラマが展開する。28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。

2019年製作/123分/G/日本
配給:エレファントハウス

引用:映画.com

2.予告

引用:YouTube

3.各映画レビューサイトのレビュー

※2020年3月6日現在

賛否を呼びそうな内容なので、Yahoo映画のレビューだけ若干辛めですね。
きっと女性なのか男性なのかによっても評価基準が変わってくると思います。

4.タツの総評

95/100点

角田光代さんによる、同名小説「愛がなんだ」の映画化。角田さんと言えば「紙の月」「八日目の蝉」なども映画化されており非常に有名ですよね。どちらの作品も最後は後味の悪さが残るような作品でした。

監督は、「サッドティー」や「パンとバスと2度目のハツコイ」などの今泉力哉監督。今作で完全にファンになってしまった私は、過去作に遡って観ているのですがその作品も少し変わった「恋」「愛」のカタチを描いた作品が多い印象ですね。



引用:映画.com

そして今作、「愛がなんだ」まずこのタイトルが素晴らしいですよね。
愛ってなんなんだろう?人によって価値観は違うだろうし、人にはそれぞれの「愛」があると思います。愛は答えのない永遠のテーマですよね。

今作は、見終わった後に「愛について」間違いなく語り合いたくなる作品です。劇場公開時にも話題となり、一部上映館では上映を延長する程の反響だったようです。

主人公のテルちゃん(テルコ)を演じるのは岸井ゆきのさん。三池崇史監督の映画「悪の教典」の生徒の一人として出演していたようなのですが・・・全然覚えていない・・・チョイ役だったのかな??2018年の連続テレビ小説「まんぷく」では、主人公福子の姪であるタカを演じていて、27歳でなんと14歳の役を演じたことで話題になりました。

一方マモちゃん(マモル)を演じるのは人気イケメン俳優の成田凌さん
コイツがどうしようもないクズでして、なかなかイライラさせられるんです。笑

ちなみに原作ではマモちゃんはもっとブサイクで、非モテ男子という設定らしいのですが、それでは客の入りが見込めないということでイケメンである成田さんをキャスティングしたとのこと。

恋は盲目といいますから、きっとテルちゃんには「成田凌」のようなイケメンに見えている、という解釈ができなくもないですが・・・それにしてもマモちゃんはなかなかのクズでした。笑

この二人の恋?愛?はいったいどこにいくのだろうかという話なのですが、今作のラストはいろんな解釈ができる終わり方だったように思います。それではさっそく見どころと、私なりに彼女たちの恋愛がどうなるのか?考察していこうと思います。

5.感想とみどころについて


・テルちゃんの尽くしっぷりが狂気に満ちていく
・キラキラ恋愛映画ではなく生々しくて
・魅力的なキャラクターが脇を支える
・テルちゃんとマモちゃんの恋の行方は?

①テルちゃんの尽くしっぷりが狂気に満ちていく

引用:映画.com

テルちゃんを都合の良い女として扱うマモちゃんがクズすぎるというのが大前提ですが、よくよく考えるとテルちゃんのマモちゃんへの尽くし方もかなり異常だと思う。

風邪をひいたからなんか買ってきて、と言われればすぐ食べ物を買っていくだけではなく、作ったものに文句を付けられても怒らない。食べ物だけ買ってこさせてあげくに夜遅くに家から追い出される・・・それでも文句ひとつ言わない。

金曜日の夜は連絡を待って会社で待機してみたり、しまいにはマモちゃんに尽くすために仕事まで辞めてしまうって、さすがにやばいような・・・そしてここで不思議なのが、あくまで受け身であって自分から誘うわけではないところ。都合の良い女なのも分かった上であくまで、「マモちゃんが自分を欲している時に会いたい」ということなのでしょうか?

恋は盲目とは本当によくできた表現ですよね。それにしても、その尽くしっぷりはとにかくすごい。狂気すら感じました。

②キラキラ恋愛映画ではなく生々しくて良い

恋愛映画というと、美男美女がきゃっきゃしてはいゴールみたいな(極端な言い方で申し訳ございません。)映画が多いように思いますが、今作は非常に生々しく恋愛というものが描かれているので、非モテの私にも非常に刺さる作品でした。

例えば、都合よく扱われる主人公と、ダメ男、本命の女の三角関係も普通の恋愛映画では絶対に味わうことができないものでした。なぜかその3人+ナカハラっちというこれまた、テルちゃんと同じように女性に都合よく扱わている男の子がいるんですが、その謎の4人編成で別荘に泊まるシーンがあって、ここもオフビートに外したコメディになっていたりして普通の恋愛映画とは違う味わいがありました。

③魅力的なキャラクターが脇を支える

引用:映画.com

登場する脇役も非常に魅力的かつ、普通の恋愛映画には出てこなそうなキャラで、まずマモちゃんの本命である「すみれさん」を演じる「江口のりこさん」ですが、この人にサバサバ女子をやらせたら右に出る人はいないんですね。テルちゃんが劇中で嫌いになれないと言っているのも頷ける女子像。男から見てもかっこよく見える素晴らしい演技でした。

ナカハラっちもいいやつなんだよなー。テルちゃんと同じように都合よく扱われる男役なんですけど・・・

ちょっと私の話になるのですが、実は私も過去に大失恋をしたことがありまして、ナカハラっちのように「都合の良い男」だった時期というのがあって、すごい辛い思いをしたことがありました。そんな私には物語の後半ナカハラっちが、テルちゃんに「もう片思いをし続けるのはつらい」と吐露するシーンで、「幸せになりたいっすね」とおどけて言うシーンは胸をえぐられるような切なさがありました。本当に名シーンでした。きっと今作は登場人物達に自分の実体験を重ね合わせて観てしまうと、かなり食らう内容になっていると思います。

ちなみにこのナカハラを演じるのは、あの名作「葛城事件」で葛城家の次男を演じていた若葉竜也さん。あの時の狂気に満ちた演技とは打って変わったキャラだったので全然気が付きませんでした・・・

④テルちゃんとマモちゃんの恋の行方は?

物語の終盤に、マモちゃんから関係を断ち切ろうという話を持ちかけられるものの、具体的に彼女たちの関係が完全に終わったという描写は出てきません。最後の最後で、ダブルデート?の後にテルちゃんがマモちゃんの友達を誘って夜の街に消えていくあのラストを見ると、都合良く扱っていた女性がどこか遠くに行ってしまうことに、若干嫉妬のような表情を浮かべるマモちゃんが印象的でした。コイツ、全然こりてねーな!!!笑

でもある意味恐ろしいなと感じたのは、それも全て想定しているかのようなテルちゃんのふてきな笑み。

愛に理由や見返りを求めているうちは、もしかするとそれは愛とは言えないのかもしれない。テルちゃんにとっての愛は、マモちゃんに尽くすことであって、もしかしたらそんな自分に少し酔ってる部分があったりするのかな?と思ったりもしました。もはや恋とか愛とかを超越してしまっているのかも。

女性の気持ちって本当に難しいですね。男は馬鹿なんで全然よくわからないです!笑
自分はあそこまで尽くされたことがないから羨ましいなとか思っちゃいました!笑

6.みんなの感想

テルちゃんは、愛でも恋でもないその感情を「執着」だと気づいていたとすると、
やっぱり見方によっては恐ろしい話でもありますね。うーん、深い、

9割5分が女性客!?女性目線の感想も聞いてみたいなー。


 やっぱりナカハラっちファンが一定数いらっしゃいますね。僕もナカハラ推しです!笑

7.まとめ

いかがだったでしょうか?今作は、よくあるキュンキュンできる恋愛映画とは違う、生々しい人間ドラマが描かれた作品となっています。私にとって忘れることができない、爪痕を残されるような映画となってしまいました。今井監督の他の作品も見漁ろうと思います!以上タツでした!(@tatsu_uctv)