ただ、すごいテンションが下がるかというとそういうわけではなくて、
しっかりコメディとして笑えるシーンなんかもある不思議な映画でした!
1.岬の兄妹 あらすじ
ポン・ジュノ監督作品や山下敦弘監督作品などで助監督を務めた片山慎三の初長編監督作。ある港町で自閉症の妹・真理子とふたり暮らしをしている良夫。仕事を解雇されて生活に困った良夫は真理子に売春をさせて生計を立てようとする。良夫は金銭のために男に妹の身体を斡旋する行為に罪の意識を感じながらも、これまで知ることがなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れることで、複雑な心境にいたる。そんな中、妹の心と体には少しずつ変化が起き始め……。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の国内コンペティション長編部門で優秀作品賞と観客賞を受賞。
引用:映画.com
2.岬の兄妹 予告
引用:YouTube
3.総評
巷で話題の作品だったので、U-NEXTの1カ月無料期間キャンペーンで鑑賞しました。
正直結構ヘビーな映画ですね。軽い気持ちで鑑賞してしまうと面喰います。
今作の監督を務める片山監督は、韓国映画を牽引する有名監督ポンジュノや、個人的に大好きな青春映画「リンダリンダリンダ」の監督でもある山下敦弘の助監督を務めていたこともある監督さんのようです。
一流の映画製作に携わっていたこともあり、低予算であることを感じさせない映画でした。なんとなく韓国映画独特の生々しさというか、胸糞悪さのエッセンスも感じました。
引用:映画.com
ちなみに今作は、片山監督の個人的な作品にしたかったということで制作費はほとんど監督の自腹だったみたいですよ・・・すごい映画ですよね。
それもあってなのか、登場している俳優さん達も初めてみる方ばかりだったわけですが、演出がしっかりしているのかとてもリアリティのある演技に引き込まれました。体当たり演技が本当に素晴らしい。
4.見どころ
・演者の体当たり演技とリアリティ
・フード描写が秀逸
・忘れられないシーンやセリフが多い
・人間の幸せについて考えさせられた
①演者の体当たり演技とリアリティ
主人公を務める、松浦祐也さんと和田美沙さんですが、正直初めて観た俳優さんだったので調べてみると、松浦さんは「それでも僕はやってない」「苦役列車」「怒り」「闇金ウシジマくんpart3」など、数多くの有名映画に脇役として出演していたようです。全然気が付かなかった・・・
和田さんも、「花と蛇3」「菊とギロチン」「止められるか、俺たちを」などに出演していたようです。不勉強で全然知りませんでした・・・
まずそんな二人を選んだ監督のセンスが素晴らしいですよね。超ハマリ役。和田さんに至っては全裸シーンもかなり多いし、知的障害を持った女性の役という難しい役ながら圧倒的な演技力を見せつけてくれます。細かい動きとか喋り方など、文句のつけどころがない演技。
松浦さんは、どこか憎めない不思議な愛嬌のあるキャラクターで、やっていることはどうしようもないのに応援したくなるような絶妙なキャラクターを演じきっていました。
引用:映画.com
首しめられて白目をむくシーンとか、体当たり過ぎて笑えるレベルでした。二人の演技のリアリティが素晴らしいからこそ、今作の重いテーマが成り立ったと思うしリアルに感じることができたのだと思います。
主演の二人の今後の作品がものすごく気になります!!
②フード描写が秀逸
今作でもっとも印象に残っているシーンが、中盤ある一線を超えた二人がお金を手にしてハンバーガーを大量に購入してきて、暗い室内で貪り食うシーン。
お金が無くて食べるものも無く、ティッシュを食べるところまで追い詰められていた二人がお腹いっぱいにハンバーガーをむしゃむしゃ食うその姿は、汚らしいんだけどどこか清々しさがあって、最高のシーンになっています。
このシーンを観るだけでも価値があると思うので、ぜひ見て頂きたいです。
岬の兄妹を観ました。
コレはかなりキツイ内容ですね。ド底辺の生活。誰か彼らに生活保護を教えてあげて…
一番印象的だったのは、ある一線を超えてお金を得た二人が、ハンバーガーを貪り食って、隠れるように生活していた部屋のダンボールを剥がすシーン。あのシーン見れただけでも大満足!! pic.twitter.com/IcyKdXusyL
— タツ@元ひょっとこ (@hyottoko_games) January 10, 2020
③忘れられないシーンやセリフが多い
先程のフード描写もそうですが、一度観ると忘れられないシーンやセリフがたくさんあります。
真理子が、とある老人と「お仕事」をするシーンなんかも、老人役の人はエキストラ事務所に所属する素人さんらしいんですが、その人を相手にほぼアドリブ演技が行われます。それが功を奏してめちゃくちゃリアリティのあるシーンかつ笑えるシーンになっていました。
その他にも名シーンであるプールサイドでの学生との戦闘シーン。
とある名言が出るんですが、面白すぎてそのシーンだけ巻き戻して何回も見てしまいました。
物語も中盤のプールでの学生達との乱闘シーンも最高。
「まだまだ出るぞー!!」
は思わず大爆笑でした。
名言の多い作品です!! https://t.co/mIwZKTxN5C— タツ@元ひょっとこ (@hyottoko_games) January 10, 2020
5.まとめ
底辺暮らしの兄妹のギリギリの生活。救いのない物語でなかなか胸糞が悪い映画なんだけど、ところどころ笑える不思議な映画。
最後には、二人の兄妹の愛おしさにやられること間違いなし!時々この兄妹のことを思い出してしまいそうです。
「岬の兄妹」はU-NEXTという動画配信サイトで550円でレンタルすることができます。
ちなみに31日間無料のキャンペーンをやっていて、最初にポイントが600ポイント手に入るので、
そのポイントで無料で鑑賞することもできます!僕もそれで鑑賞しました!
U-NEXTに興味がなければ31日後に解約をすればオッケーです。↓↓
以上、タツでした!!(@tatsu_uctv)
今回は、昨年公開された邦画「岬の兄妹」についてご紹介します。